2020年7月の九州豪雨で被災した男性から住宅再建名目で700万円をだまし取ったとして、熊本県警は11日、津市白塚町、建設業、山口卓三(たくみ)容疑者(75)を詐欺容疑で逮捕した。県警によると、山口容疑者を巡っては東北地方や岡山県など災害に見舞われた各地で住宅再建についてトラブルが起きており、関連を調べている。
逮捕容疑は21年10~11月、熊本県人吉市に住む会社員の男性(67)に「請負契約代金を支払えば住宅を建築し、完成させる」などとうそを言い、現金700万円をだまし取ったとしている。「お金は返していないが、詐欺と言われると納得がいかない」などと容疑を否認している。
県警によると、山口容疑者は豪雨後に建設会社「匠工務」を同市で起業。被災住宅のリフォームや新築工事などを請け負い、豪雨被災地では二十数件の工事契約を結んだとみられる。複数の契約で一部着工や未着工のままになり、被害額は億単位に上るとみられる。熊本県外でも同様のトラブルが相次いでいるという。【野呂賢治】