starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

鳥取県立中央病院にパワハラ調査求める 指示要請拒否巡り消防局


 鳥取県立中央病院(鳥取市)の救命救急センターが、同市など1市4町の救急搬送を担う県東部広域行政管理組合消防局(東部広域消防局)の救急救命士からの医療行為の指示要請を拒否していた問題で、実際に要請を拒まれた3件のうち1件について、同消防局が「中央病院への搬送時にパワハラに該当する行為があった」として、病院側に調査を申し入れたことが、関係者への取材でわかった。「医師からの高圧的な態度、冷淡な対応」があったとし、県東部の医療機関や行政関係者でつくる「東部地区メディカルコントロール協議会」を通じ、12日を期限に回答を求めている。

 同消防局などによると、問題の事案は2023年12月12日に鳥取市内で発生。のどに異物を詰まらせた患者を搬送するため、近傍の救急隊が出動した。

 現場で救急救命士が気管内挿管が必要と判断し、中央病院に電話したが、病院側は「特定行為の指示は出せない」と拒否し、他の病院で指示を受けるよう回答。このため、他の病院の医師から電話で指示を受け、気管内挿管や薬剤投与などの処置をした。一方で、中央病院は救急車の受け入れについては承諾したため、救急隊は患者を搬送した。

 この間、救急救命士は指示要請に加え、患者の氏名や生年月日などの連絡(セカンドコール)のため、中央病院に計2回電話したが、「2回とも一方的に切られた」と証言。到着後も、「医師に処置内容を報告しても反応がない」「患者をストレッチャーからベッドに移し替える『移乗』の際、手伝うそぶりがない」「移乗後の胸骨圧迫を救急隊員のみで実施した」などの報告が隊員からあったという。

 消防局は一連の経過を「救急活動が困難になった事案」として、県消防防災課などの関係部署や東部地区メディカルコントロール協議会の委員らに報告。同協議会は「病院側の対応の意図が不明であり、再発防止のための参考とする」として、調査の要請を決定。12月21日付で、廣岡保明院長宛てで「救急活動における特定行為の指示要請及び院内での対応に関する調査について」とする依頼文書を提出した。

「高圧的態度、冷淡対応がストレス」

 消防局側が同協議会に提出した報告では、病院側の対応について「妥当性がなく、傷病者にとって不利益」「高圧的な態度、冷淡な対応は救急隊員にとってストレスになっており、パワーハラスメントに該当する」などと問題点を指摘。県東部の救急医療の関係者らからは「通常は考えられない対応」「経過を明らかにするべきだ」と疑問の声が上がっている。

 病院側は調査依頼を受け、当時現場にいた医師、看護師らの聞き取り調査を開始。処置室の記録映像や電話の音声を確認するなどの作業を進め、当時の対応を検証している。廣岡院長は「消防局の調査依頼については事実確認を進めているところであり、指摘通りのところもあるし、一部異なるところもあると認識している。相違点を伝えた上、回答の内容を確定させたい。パワハラに当たる行為があれば、院内のハラスメント検討会にかける」と話している。【山田泰正、阿部浩之】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.