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水不足でトイレが流せない…処理方法の注意点は? 能登半島地震


 能登半島地震の被災地では、断水や物資の不足で避難所などの衛生環境が悪化している。その中で、少しでも不衛生な状態を改善するための「緊急避難措置」があるという。

 仮にペットボトルの水が行き渡っても、断水が続くと手洗いや掃除、トイレで排せつ物を流す時などに使う生活用水が十分に確保できない。水の衛生問題に詳しい佐野大輔・東北大教授(環境水質工学)は「飲料以外であれば、河川や雨の水をろ過して使う方法があります」と話す。

 佐野さんら東北大工学部・環境水質工学研究室出身の研究者有志は2011年の東日本大震災の後、水の確保や害虫対策、食中毒の予防策など、被災地向けの「衛生対策マニュアル」を作り、公表した。

 専門知識や特殊な機器がなくてもできる方法をまとめたもので「マニュアルに盛り込んだ内容は今も有効です」(佐野さん)。能登の被災地で活用できそうな項目もある。

 濁りのある河川の水などのろ過には、使用済みペットボトルの底を切り取り、小石や細かな砂利、砂などを層状に詰めた「簡易ろ過器」を作って使う。マニュアルでは砂などの層を六つ重ねる方法を紹介しているが、これより少ない層でもある程度は効果があるという。

 雨水をためる場合は、バケツなどの容器を地面ではなく、机のような台の上に並べる。雨で跳びはねた土や砂が容器に入ってしまう可能性があるからだ。

 マニュアルでは、トイレの水が流れず、排せつ物を固める簡易トイレもない場合に、たまった排せつ物を地面の穴に捨てる時の注意事項も示している。排せつ物に病原体が含まれている可能性があるため、佐野さんは「付近に井戸がある場合は30メートル以上離れたところに穴を掘る必要があります」と指摘する。

 臭いの観点から、穴の場所は食事や睡眠を取る生活空間から離すことに加え、近づいて誤って落ちないよう、排せつ物用の穴だと知らせる掲示物も用意することが重要だ。

 ただし、穴に捨てるのはあくまで一時的な措置で、最終的な処理方法は地元市町村などに相談する必要があるという。

 マニュアルは現在、佐野さんの研究室のホームページ(https://waterqualitytohoku.com/manual/)で公開されている。簡易トイレなどの価格は11年当時のもの。参考情報として紹介しているウェブサイトのリンクは更新されているが、閲覧できなくなっている場合もあるという。【大場あい】

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