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しまむら、なぜ人気? “今ここだけ”の宝探し、プチプラの象徴に


 全国に系列約2200店舗を展開し、国内アパレル売上高2位を誇る「しまむら」(さいたま市大宮区)。埼玉県小川町の呉服店から出発し、2023年に創業70周年を迎えた埼玉発祥の総合衣料チェーンは、しまむら商品を愛用する「しまラー」や、掘り出し物を探す「しまパト」などの言葉を生み、プチプラ(プチプライス)ファッションの象徴的存在となった。

“今ここだけ”の宝探し

 「発見があり、冒険ができて、分かち合いたくなる」と魅力を語るのは、ブログやインスタグラムで情報発信する「しまむらの達人」、外村美姫さん。多彩な商品展開や店舗の個性、低価格に引きつけられるのだという。

 「1店舗に同デザイン同サイズの在庫は1点だけなのでご近所とかぶらず、1点物感に心をくすぐられる。広告に出ていない商品も多く、値下げ幅は店舗により違うので『今ここだけ』のお値打ち品を探す宝探し感覚が楽しい。お財布に負担が少なく、今まで着たことがないデザインや色柄にも思い切って挑戦できます」

 「行列に並び福袋GET‼」「330円ワンピ着画‼」。12年近くほぼ毎日更新する「ぱんだのぶろぐ」は、しまむらの購入報告やコーディネート写真を添えた記事が8000本を超える。「SNS(ネット交流サービス)ですごく反響がある」といい、タグの品番など商品検索に必要な情報を必ず載せる。「それだけ皆に身近で関心の高い話題なんです」

しまむらの道のり

 しまむらは、小川町で呉服商を営む家に生まれた島村恒俊元会長(97)が1953年に法人化。既製服の仕入れ販売を手掛け、61年に2号店を東松山市に出し、2002年の沖縄出店で全都道府県に進出した。

 自社で企画・デザインした服を工場で大量生産して販売するユニクロやH&M(スウェーデン)、ZARA(スペイン)などと異なり、製造工場は持たない。さまざまなメーカーや商社から仕入れる多品種少量販売が特徴だ。

 一方で、10年代からは海外工場に生産を委託した自社開発ブランドも強化。キャラクターやファッション誌とコラボした共同開発ブランドも展開する。20年には直営サイトを公開し、ネット販売や受注生産も開始した。

 23年3~11月の売上高は同期間比で過去最高を更新。同社は「創業70周年キャンペーンが好調で集客が伸び、特に人気インフルエンサーとのコラボやトータルコーディネート企画が受け入れられた」としている。

 県内では21年3月、JRさいたま新都心駅東口にファッションセンターしまむらとして全国最大の「さいたま新都心店」(売り場面積2200平方メートル)がオープン。本社ビルに隣接し、ベビー・子供服の「バースデイ」とヤングカジュアルと靴の「アベイル」も併設する。週末は一日中、駅からの人の流れが途絶えない。娘と孫の3世代で訪れた女性(68)は「小学生の孫から、予算内で好きな服を自分で選びたいとリクエストされて来ました」と笑顔だった。

 近隣にはさいたま市役所本庁舎が31年度をめどに移転整備予定で、歩行者デッキや交通広場再整備を含む市の「将来ビジョン」改訂版素案も公表されたばかり。アパレル業界の先駆者は、さいたま新都心エリアの進化を支える一翼も担っている。【藤田祐子】

プチプラ

 「petit」(仏語で小さい)と「price」(英語で価格)を合わせた造語「プチプライス」の略で値段が安いこと。ファッション、化粧品、雑貨などの分野で、低価格なだけでなく、流行を取り入れて「安くて可愛い」、機能性があり「安いのに便利」などの意味も持つ。

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