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中国がEV、再生エネルギーで世界を席巻 焦燥感強めるEU


 地球温暖化対策として「脱炭素」が世界的な課題となる中、そのカギを握る再生可能エネルギー分野で「メード・イン・チャイナ」が世界を席巻しつつある。

 中国の習近平国家主席は昨年12月31日、新年に向けた演説で「人工知能(AI)やグリーン産業が発展の新たな柱になった」と誇った。しかし、中国国内の激しい競争により単価の下がった製品が輸出され、海外で摩擦を引き起こす悪循環も生じている。

風力発電部品大手、高品質に自信

 中国屈指の工業地帯を擁する江蘇省。沿岸部の塩城市にある風力発電部品メーカー最大手「中材科技風電葉片」(シノマブレード)の敷地に入ると、巨大なブレード(羽根)が数十基整然と並べられていた。全長400メートル超の巨大な工場内では、ブレード内部の舗装作業などに従事する作業員の姿があちこちで目につく。「大型洋上風力用で、ブレードの長さは100メートル以上あります。カーボンファイバー(炭素繊維)製で軽量。先進的な技術を使っています」。工場運営子会社の姜悦・総経理は製品の高品質ぶりに自信を見せた。

 2007年に設立された塩城工場には、現在90~120メートルのブレードについて14の生産ラインがある。現在の生産能力は年1000基以上だが、生産ラインは今後20以上に拡大するという。同社は塩城市のほか、新疆ウイグル自治区や内モンゴル自治区、甘粛省など国内に13カ所の工場を持つが、各地で生産設備を増強しており、海外でも昨年ブラジルの新工場が完成した。

 輸出先は、日米欧や中南米、中東など30カ国以上に達する。市場シェアは中国国内では約3割から5割近くに上昇し、世界でも約3割を占めるガリバー企業だ。

風力発電機本体もシェア急増

 ブレードだけでなく、主力部品の風力発電機でも中国勢の勢いは増す一方だ。国際業界団体の世界風力会議によると、22年に世界で導入された風力発電機メーカー上位15社のうち、中国企業は10社を占め、シェアは全体の56%。この5年で約20ポイント増加した。太陽光発電でも中国メーカーの世界シェアは約8割だ。

 こうした状況に、50年までに温室効果ガス排出実質ゼロをめざし、温暖化対策で世界をけん引してきたとの自負を持つ欧州連合(EU)は焦燥感を強めている。【江蘇省塩城市で小倉祥徳】

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