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王将戦で注目の振り飛車党の中学生 藤井聡太王将に言われた一言


 第73期ALSOK杯王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の開幕局が行われている栃木県大田原市には、昨年、藤井聡太王将(21)の指導対局を受け、時間切れの「ドロー」に持ち込んだ中学生がいる。実は彼が得意とする戦法は、挑戦者の菅井竜也八段(31)と同じ「振り飛車」で、指導対局もその戦法で臨んだ。今期の王将戦は、藤井王将が2日制のタイトル戦では初めて振り飛車を得意とする棋士と対峙(たいじ)するとして将棋ファンに注目されている。藤井王将は“振り飛車党”の中学生に、どんな言葉をかけたのか。

 「時間をかけて考えた手も数秒で返された。コンピューターと対局しているみたいだった」。大田原市立大田原中2年の大牟礼結人(ゆいと)さん(14)は藤井聡太王将の印象をそう語る。昨年3月にタイトル防衛の祝勝会のため同市を訪れた藤井王将による指導対局に参加した。初めて藤井王将を目の前にして「やさしい雰囲気だったが、将棋が始まると、こちらが怖くなるくらい集中している様子だった。オーラに圧倒された」と振り返る。

 将棋を始めたのは小学3年のころ。父孝弘さん(43)からルールを教わり、学校の休み時間に教室で友人たちと楽しんでいた。孝弘さんが「負けず嫌いで、はまったら深くのめり込む」とその性格を評するように、自然と対局の中継を見たり、自ら公民館での将棋教室に通ったりするようになった。地元で開催されていた「小中学校将棋大会」の学年別クラスでも優勝するようになり、小学5年ごろから大人と指すことも増えた。「相手によって局面が常に違い、いつも違ったおもしろさがある」。昨年7月には大田原市が開催した「大田原将棋名人杯」で優勝した。

 現在は「もっと強くなりたい。一番になりたい」という思いで将棋と向き合い、ネットでの対局やトップ棋士の棋譜の研究で腕を磨く。対局では菅井八段が得意とする「振り飛車」という戦法をよく使っている。

 振り飛車とは、飛車を初期位置から横に動かして使う戦い方の総称。用いるとAI(人工知能)によるシミュレーションで勝率が下がってしまいがちだと言うが「対局の中で自分の構想を自由に表現できる」と気に入っている。菅井八段に対しても「勝ちにくい戦法と言われるけど、それでも結果を残している」と尊敬してやまない。

 昨年3月の藤井王将との指導対局も振り飛車で臨んだ。事前に、棋譜の研究やパソコンでのシミュレーションで作戦を用意。ことごとくはね返されたが、最後は時間切れで勝負の決着はつかなかった。終了後に「隙(すき)の無い将棋ですね」と声を掛けられた。「本当にうれしかった」と忘れられない思い出になった。

 7日朝、初手見学会に参加し、憧れの2人の棋士が相まみえる姿を間近で見た。「緊張感がすごかった」と話す一方、「振り飛車のトップ棋士の菅井八段に、藤井王将がどう向かっていくのか、自分も勉強したい」と目を輝かせていた。【池田一生】

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