三重労働局は4日、津市丸之内の飲食店「東洋軒」が約9045万円の雇用調整助成金を不正に受給していたと発表した。
同労働局によると、東洋軒は、実際には出勤していた従業員が新型コロナウイルス感染症の影響で休業したとする虚偽の申請書を作成し、2020年4月~22年6月に計約9045万円の雇用調整助成金を不正受給した。
外部からの情報提供で発覚し、聞き取り調査などを実施したところ、東洋軒側が不正を認めたという。東洋軒は昨年12月に支給の取り消し処分を受け、全額を返還した。毎日新聞の取材に「勤怠上の事務処理のミスがあった。皆さまにご心配、ご迷惑をおかけして申し訳ない。労務管理を再度、徹底していく」と話している。
東洋軒は三重県内のほか東京、名古屋などで10店舗を展開する老舗のフレンチレストラン。1897年に東京で創業した後、1928年に津市へ進出し、現在は本店も同市にある。
三重労働局によると、管内での雇用調整助成金の不正受給は22年度以降、51事業所で総額8億8241万円に上るとしている。【原諒馬】