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収入面、コロナ禍前にどう戻すかが課題 JR九州・古宮洋二社長


 世界では紛争が相次ぎ、不安定な状況が続く。物価高やエネルギー価格上昇が生活を圧迫し、米中経済の先行きなども懸念される。九州・山口の企業は2024年、どう経営のかじを取るのか。主要各社トップに今年の展望や経営方針を聞いた。

 ――2024年をどうみるか。

 ◆子会社が運営する長崎マリオットホテルが1月に開業する。福岡市では、1月に市立簀子(すのこ)小学校跡の自立型有料老人ホーム、3月には福岡東総合庁舎跡の再開発ビルがそれぞれオープンする。28年末完成予定の「博多駅空中都市プロジェクト」に向けた準備も進め、福岡、博多地区の新たな形をつくる時ではないかと思っている。24年度までに新型コロナウイルス禍前くらいまで会社の経営体力を戻し、次の年から成長する姿を描いている。

 ――人手不足対策をどう考えるか。

 ◆若い社員の退職率が上がっている。鉄道事業を中心に、会社には技術の蓄積や経験が非常に大切になる。今いる社員の定着や、優秀な社員を集めるためにも、4月から新しい人事、賃金制度をスタートさせ、頑張った人が報われるようにする。経験者の社会人採用も引き続き行いたい。

 ――鉄道事業を存続する取り組みは。

 ◆在宅勤務が進んだことや、出張のあり方が変わったことで、鉄道の利用者はコロナ禍前の水準には戻らないのではないか。特急の一部料金やインバウンド(訪日観光客)向けのフリー切符の値段の改定をした。訪日中国人観光客が戻ると収入も伸びるので、収入面でいかにコロナ禍前と同じ水準に戻すかが大切だ。

 ――23年秋からローカル鉄道のあり方を議論する再構築協議会の仕組みが始まった。

 ◆JRになって35年で、ローカル線の利用者が大きく減り、赤字が増えている。重要な経営課題だと考えている。

 利用が低迷している指宿枕崎線の指宿―枕崎区間については、19年度に始めた線区の活用に関する検討会を含め、建設的に地元自治体と話をしている。その他の線区も経営的に苦しいところはあるが、線区ごとに考え方、やり方が違うのでそれぞれのエリアでどうするか考えて、地元に投げかけたい。

 ――M&A(企業の合併・買収)戦略や展開は。

 ◆投資家に説明しているのは、事業ポートフォリオの見直し。大きな柱としては、再びコロナのようなものが来ても、JR九州グループとして倒れない体系を作っていく。プラスになるM&Aを積極的にやっていきたい。【聞き手・下原知広】

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