日本航空グループの格安航空会社（LCC）、ジェットスター・ジャパンの労働組合のストライキなどで同社便の国内線の欠航が相次ぎ、年末年始の帰省やレジャーの旅客を直撃し、混乱が広がっている。成田空港の出発ロビーでは、戸惑う旅客が大きな荷物を抱えたまま地上旅客係員に相談したり、電話したりする姿が見られた。
「どうすればいいのだろう」。茨城県神栖市の船員の男性（51）は30日、成田発鹿児島行きに搭乗する予定だった。空港に到着し、チェックインカウンター前のボードを見て初めて欠航を知った。親戚に会うため家族3人で行くつもりで、ホテルを予約し、荷物も事前に送っていた。男性は「びっくりした。仕方ないのだろうか」と言い、妻（53）は「親戚に6年ぶりに会うことになっていて、とても楽しみにしていた。困ってしまう」と話した。急きょ、旅程を変更して同社の宮崎行きの便に搭乗し、宮崎から鹿児島まで鉄道で移動することになった。
帰省ラッシュがピークを迎えた29日は運航予定の113便のうち15便が欠航し、約2600人に影響した。15日に開設したばかりの北海道・旭川線も欠航に。30日は8便が欠航し、約1400人に影響した。同社は払い戻しや他の便への振り替えなどの措置をとり、日航や日航グループのLCCのスプリング・ジャパンが羽田や成田から臨時便を飛ばして対応した。ジェットスターは「ご不便やご迷惑をおかけしないよう、今後も最大限の努力を続ける」とコメントした。【中村宰和】
