東京都杉並区の歩道で26日夕、近くに住むイラストレーターの女性（43）と小学校1年生の娘（6）が自動車整備店から出てきた乗用車にはねられ死亡する事故があり、警視庁交通捜査課は28日、この整備店などを自動車運転処罰法違反（過失運転致死）容疑で家宅捜索した。押収品や事故車両を解析するなどし、詳しい事故原因を調べる。
警視庁によると、死亡したのはイラストレーターの杉本千尋さんと、娘の凪（なぎ）さん。事故は杉並区高井戸東3の井の頭通りで、26日午後5時過ぎに発生した。歩道にいた杉本さんと凪さんがバックしてきた車にはねられ、頭や腹を強く打ち死亡した。当時、両親と子ども2人で現場を通りかかり、先を歩いていた母子がはねられたという。
警視庁は事故直後、店を運営する「テーエス商会」の整備士で、車を運転していた漆原宏太容疑者（50）＝東村山市野口町3＝を自動車運転処罰法違反（過失致傷）容疑で現行犯逮捕した。28日、容疑を過失致死に切り替えて送検した。
捜査関係者によると、車は時速25～30キロで2人をはねたと推定され、現場にブレーキ痕はなかったという。片側2車線の道路を突っ切り、ガードレールに衝突し、歩道に乗り上げたところで停止した。漆原容疑者は「整備後の車を試運転しようとした。バックした時に歩行者をひいてしまった」と供述しているという。
警視庁は28日、現場の整備店と、中野区にあるテーエス商会本店の2カ所を捜索した。交通捜査課は今後、運手ミスの可能性に加え、事故を起こした高級車「ジャガー」の整備に不備がなかったかなども調べる。【菅健吾、加藤昌平】
