「アメリカの市長」 元NY市長、破産申請 210億円賠償命令受け

　トランプ前米大統領の顧問弁護士を務めたジュリアーニ元ニューヨーク市長（79）が21日、裁判所に連邦破産法の適用を申請した。米メディアが報じた。ジュリアーニ氏は2020年の米大統領選の開票作業を巡り、南部ジョージア州の選挙管理職員2人から名誉毀損（きそん）で訴えられた裁判で1億4800万ドル（約210億円）の支払いを命じられていた。

　米紙ワシントン・ポストなどによると、ジュリアーニ氏はニューヨークの裁判所に連邦破産法11条の適用を申請。裁判所に提出した書類で、1億4800万ドルの賠償金を含む裁判に関する費用や未納の税など5億ドル近い潜在的な負債を列挙した。資産は約1000万ドルと申告したという。

　01年の米同時多発テロの危機対応で「アメリカの市長」として英雄視されたジュリアーニ氏は、トランプ氏の側近としての言動をめぐる名誉毀損訴訟などの費用や制裁金が膨れ上がり、以前から資金難に直面していると報じられていた。20年の大統領選で敗北を不正に覆そうとした刑事事件でも、ジョージア州の組織犯罪処罰法違反などの罪でトランプ氏らと共に起訴されている。【ニューヨーク八田浩輔】