英大使館跡の弥生時代の遺跡 千代田区などが現地説明会開催検討

　東京都千代田区一番町の英国大使館跡地から見つかった弥生時代の集落跡について、千代田区と三菱地所レジデンス（東京都）は現地説明会を開く方向で検討を始めた。三菱地所への取材で分かった。当初、説明会は開かれない予定だったが、毎日新聞の報道を受けて開催を求める声が強まっていた。

　千代田区などによると、大使館跡地で見つかったのは弥生時代と縄文時代の竪穴住居跡計28棟。この土地では三菱地所レジデンスなどがマンション建設を進めており、遺跡はその関連工事で確認された。

　発見後、千代田区と三菱地所レジデンスは遺跡の一部だけでも残せるかどうか協議を重ねてきたが、同社の同意を得られずに断念した。

　遺跡発見を公表した上で現地説明会を開くことについても当初、同社は同意しなかった。しかし、一連の報道を受けて千代田区と同社は改めて対応を協議。現在は説明会を開く方向で検討を進めているという。

　遺跡が見つかったのは都内でも有数の超一等地。関係者によれば、同社は説明会を開くことで工期が延びることを懸念していた。【川上晃弘】