お金持ちになりたいが、実際には無理かも――。自分の将来について、そう現実的に考えている高校生が多いことが、ベネッセコーポレーションとスパークス・グループの「高校生のマネー事情とキャリアに関する調査」で明らかになった。
調査によると、将来お金持ちになりたいかを尋ねたところ、37・4％が「とてもそう思う」、40・6％が「まあそう思う」と回答した。
一方、自分はお金持ちになれると思うか尋ねたところ、「とてもそう思う」は5・3％、「まあそう思う」は15・5％で、計2割程度にとどまった。
高校生が「お金持ち」と思う年収は「1000万円以上」が41・4％と最も多かった。だが、将来どれくらいの年収を稼げると思うかとの質問では、「300万円未満」が12・0％と最多で、1000万円以上という回答は計6・9％だった。
就職などで企業を選ぶときに重視すること（最大三つ）は、トップが「安定している」（46・1％）で、次いで▽「お給料が高い」（40・5％）▽「やりがいがある」（38・7％）――などが続いた。
また、「自分で起業したい」との回答は2・9％だった。
現実的で堅実な傾向がうかがえるが、ベネッセは「長引く不景気のなか育ってきた高校生たちは、稼ぐことの厳しさを肌で感じ、シビアな金銭感覚を持っているのでは」と話している。
調査は9月中旬、高校1～3年の男女計約600人を対象にインターネットで実施した。【嶋田夕子】
