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京アニ放火殺人 検察側、青葉被告に死刑求刑 京都地裁


 36人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われている青葉真司被告(45)の裁判員裁判の論告求刑公判が7日午前、京都地裁(増田啓祐裁判長)で始まり、検察側は死刑を求刑した。被告には完全責任能力があったと主張した。これに対し、弁護側は午後の最終弁論で、責任能力を問えない心神喪失状態だったとして改めて無罪を求める見通し。

 9月5日に始まった公判は、経緯や動機▽責任能力▽量刑――の3段階に分けて審理が進み、22回目となるこの日で結審する。判決は24年1月25日に指定されている。

 起訴状によると、青葉被告は19年7月18日午前、京アニ第1スタジオ(京都市伏見区)でガソリンをまいて火を放ち、社員ら36人を殺害、32人に重軽傷を負わせたとされる。

 公判で青葉被告は起訴内容を認めた。動機について「自身の小説が京アニに盗まれた。京アニが許せなかった」と述べ、複数の犠牲者が出た過去の放火事件を模倣したと説明。「小説一つで行き過ぎた。浅はかで後悔が山ほど残る」とも話した。公判の最終盤で被害者参加制度を利用して質問した遺族に対し、「申し訳ないと思います」と初めて謝罪した。

 被告は事件当時、精神障害による妄想を抱えていた。精神鑑定は検察側による起訴前、弁護側の請求による起訴後の2回にわたって実施されており、鑑定医2人の見解は妄想が事件に与えた影響の度合いで相違がみられた。

 これまでの公判で検察側、弁護側はそれぞれの医師の意見に基づき責任能力について主張。検察側は「妄想は事件にほとんど影響していない」とした上で、放火をためらい、犯罪だと認識していたことも踏まえて完全責任能力があったと訴えた。これに対し、弁護側は「妄想世界での体験や怒りが責任能力を失わせた」と反論し、事件当時は心神喪失状態で無罪だと主張していた。

 公判では刑事訴訟法の「被害者特定事項秘匿制度」に基づき、犠牲者36人のうち19人は匿名で審理されてきた。法廷で意見陳述した遺族からは「被告は命で償ってほしい」などと厳しい処罰を求める意見が相次いだ。【久保聡】

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