福岡市立中学に勤務する30代の男性英語教諭が10月、自身の頭髪を巡って男子生徒の首元をつかんで廊下に連れ出し、25分間にわたり叱責していたことが市教育委員会への取材で判明した。市教委は文部科学省が規定する「不適切な指導」に当たるとして、事実確認を進めている。【栗栖由喜】
市教委「不適切な指導」
市教委によると、10月27日の授業前に教諭は男子生徒から育毛剤のチラシを渡され「何だこれは」と言って生徒の肩を押し、首元をつかんで階段の踊り場に連れて行った。
そして「ふざけるな」「気持ちが折れた。どうしてくれるんだ。お前が授業をするとや」「授業態度として評価する」などと、生徒を責めた。
教諭はその日のうちに生徒と保護者に謝罪。生徒は全治10日のけがをし、一時登校できなくなった。学校はその後、生徒のクラスの英語担当を別の教諭に代えた。
市教委は、文科省が策定した教員向けの手引書「生徒指導提要」が定める「事実確認が不十分なまま思い込みで指導する」行為に当たるとして、不適切な指導だと判断。「事実確認を進め、適切に対応したい」としている。
教諭は市教委に「頭髪にコンプレックスがあり、チラシを渡され侮辱されたと思った。申し訳なかった」と話した。学校や市教委は、保護者から要望を受けているとして、生徒から聞き取りはしていないという。
