2000年12月に東京都世田谷区で一家4人が殺害された事件現場の住宅敷地内に、高校生ら約10人が23年10月に入り込んでいたことが、警視庁への取材で判明した。高校生らは任意の事情聴取に「肝試し感覚で行った。事件のことは知らなかった」と話したという。警視庁は今後、軽犯罪法違反（立ち入り禁止場所など侵入）容疑で書類送検する方針で捜査している。
警視庁によると、10月6日午後10時過ぎ、世田谷区上祖師谷3丁目の宮沢みきおさん（当時44歳）宅の敷地内に、都内の高校に通う男子生徒ら約10人が入り込んだ。近隣住民からの通報で発覚した。住宅内には入っていないとみられる。
土地は都の所有で、建物は遺族が所有している。敷地内への侵入を防ぐため、住宅の周りは高さ1・8メートルのフェンスで囲われ、施錠されていた。少年らはフェンスを乗り越えて敷地内に入ったとみられる。
一家4人が殺害された事件は00年12月31日にあり、宮沢さんと妻泰子さん（当時41歳）、長女にいなさん（当時8歳）、長男礼ちゃん（当時6歳）が殺害された。犯行時刻は30日午後11時ごろ～31日未明とみられている。現場には犯人の血痕や指紋などが残され、警視庁が捜査を続けているが未解決のままとなっている。
現場の建物について、警視庁は19年に「必要な証拠保全が終わった」と遺族側に取り壊しを打診したが、現在まで実施されていない。【岩崎歩】
