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「ヒーローだった」AI業界衝撃 米オープンAIのCEO、事実上の解任


 対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を手掛ける米新興企業オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO、38歳)が17日、突如トップの座を退くことになった。アルトマン氏の退任を発表した取締役会は「オープンAIを率いる能力があるとの確信を持てなくなった」とコメントしており、事実上の解任とみられる。

 「熟慮に基づく検討プロセスを経たものだ。取締役会とのコミュニケーションにおいて常に率直さを欠いており、取締役会の責任遂行を妨げているとの結論に達した」。オープンAIの取締役は17日、ホームページ上でトップ交代を公表した。アルトマン氏のどんな点を問題視したのかは具体的に言及していない。

 オープンAIは後任を決めるまでの間、暫定的にエンジニアのミラ・ムラティ最高技術責任者(CTO)をCEOに充てる。取締役会は声明で「オープンAIは人工知能が全人類に利益をもたらすという我々の使命を推進するために組織された。この使命に全力を尽くす」とコメントした。

 アルトマン氏は同日、短文投稿サイトのX(ツイッター)に「オープンAIでの時間は最高だった。私にとって革新的だったが、世界にとっても少しは革新的だったらうれしい」と投稿した。「次のことは後ほど」と書き添えた。

 アルトマン氏は11月上旬に開いたイベントで、チャットGPTの大幅な機能向上を発表したばかり。米西部サンフランシスコで15~17日に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の関連イベントにも出席していた。

 突然の解任に世界のAI業界には衝撃が広がっている。

 オープンAIに巨額の出資をして製品開発を進めるマイクロソフトのサティア・ナデラCEOは「我々は長期契約を結んでおり、革新的な製品に必要なすべてのものにアクセスできる。この技術の利益を世界に届け続ける」とのコメントを発表。アルトマン氏退任後も協業関係を続ける考えを明示した。米メディアによると、マイクロソフトが退任を知ったのは、ニュース発表直前だったという。

 オープンAIと生成AIの開発競争を繰り広げるグーグルのエリック・シュミット元CEOは、アルトマン氏について「私のヒーローだった。彼はゼロから900億ドル(約13・5兆円)の価値のある企業を立ち上げ世界を変えた」とXに投稿し、新天地での活躍にエールを送った。

 アルトマン氏は2015年、実業家のイーロン・マスク氏らと共同で、非営利組織としてオープンAIを設立。22年11月に発表したチャットGPTは、わずか2カ月で利用者が1億人を突破するなど爆発的な人気を集め、日本でも話題となっていた。【サンフランシスコ大久保渉】

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