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「診察室に血だまり」一体、何が 発砲・立てこもりの恐怖 埼玉


 白昼の病院に発砲音が響き、郵便局に逃げ込んだ男が銃を手にしたまま立てこもった。31日、埼玉県戸田市の病院と隣の同県蕨市の郵便局で起きた発砲・立てこもり事件。目撃した人たちは恐怖におののき、住民は不安を募らせた。

 発砲があったのは午後1時ごろだった。戸田中央総合病院の待合室で診察を待っていた60代男性は、看護師が「窓から離れて頭を下げてください」と叫ぶ声を聞いた。続いて診察室から1人がストレッチャーで運ばれ、もう1人はこめかみを押さえながら自力で歩いて出てきた。男性は「血だまりが診察室の机のすぐ横にあった。銃声は聞こえず何が起きているのか分からなかった」と振り返った。

 病院に医師として勤務する妻がいる男性は、妻から被害者の手術が無事終わったとの知らせを受けたといい、「(妻が)無事で、けが人(の命)も助かった」と話した。

 それから、約1時間後。逃走した男は蕨郵便局に立てこもったとみられる。

 「銃を捨てろ」。怒号を耳にした女性(72)は郵便局の目の前にある自宅アパートから外を見た。すると、警察官数人が拳銃や盾を手にしており、「バン」という発砲音とみられる音が1発聞こえた。女性は「普通の生活をしていたらこんな音を聞くことはない。怖かった」と声を震わせた。

 近所の50代男性は「郵便局に行こうとしたら防弾チョッキを着た警察官に止められた。こんな物騒なことが起こるとは」。近くに住む女性(76)も「外に大勢の警察官がいる。家から出られず、怖くてテレビのニュースも見られない。顔見知りの職員が郵便局にいるかも。心配でたまらない」と不安そうに話した。

 周辺の学校や幼稚園は子どもたちの身の安全を守るため対応に追われた。

 病院近くの私立戸田幼稚園の田口貴之園長はサイレンの音で事件に気づいた。看護師から「病院の中で撃たれたらしい。子どもたちも気をつけてください」と園側に伝えられたという。

 すぐに園児を2階のホールに避難させ、保護者に緊急メールを流し、安全を確認した上で園児を迎えに来てもらうように連絡した。田口園長は「周辺でこんなに大きな事件が起きて本当に驚いている」と話した。

 長女を迎えに来た女性(42)は「娘から『お巡りさんやサイレンがいっぱいで怖かった』と聞かされた。まさか子どもを通わせている幼稚園の目の前でこんな事件があるなんて。早く解決してほしい」と願った。

 戸田市は市内の小学校の下校時間を遅らせた上で、集団下校させたという。

 郵便局から脱出した職員らは午後5時ごろ、避難していた市の施設から1キロほど離れた市民体育館に移動した。体育館には近くの蕨市立中央小の児童たちも避難しており、保護者たちが次々と迎えに来ていた。

 3年女児の40代の母親は「郵便局前を歩いていたら発砲音がした。驚いて自宅に戻り、迎えに来た」。2年生の長男を迎えに来た男性会社員(34)は「子どもたちは大丈夫かと不安な気持ちで急いで向かった。それから1時間近く待ってようやく会えた」と胸をなで下ろしていた。【田原拓郎、岡礼子、増田博樹、黒川晋史、島袋太輔、朝比奈由佳】

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