埼玉県戸田市の病院で発砲したとみられる人物が立てこもっている蕨郵便局（同県蕨市）の周辺住民からは驚きと不安の声が聞かれた。
「銃を捨てろ」。そう叫ぶ声を聞いた女性（72）は自宅アパートから外を見ると、警察官3～4人が拳銃や盾を持っており、「バン」という発砲音とみられる音が1発聞こえた。女性は「普通の生活をしていたらこんな音を聞くことがなく、怖かった。今は静かだが、これからどうなるんだろう」と語った。
別の70代女性は「戸田市で発砲があったとテレビで知った。隣の市で起きたことだと思っていたら、家のすぐ裏に立てこもっていると聞いて驚いた。玄関を施錠して窓を閉めて家の中にこもっている」と心配そうに話した。
50代男性は「郵便局に行こうとしたら防弾チョッキを着た警察官に『近づけません』と止められた。病院で発砲事件があったようだと聞いていたが、こっちまで逃げてきていたとは知らなかった。恐ろしい。こんな物騒なことになるとは思わなかった」と声を震わせた。
郵便局の近くにある蕨市歴史民俗資料館に勤める女性は「警察からは指示はないが、ニュースなどで立てこもりがあったと知り、午後3時ごろに臨時閉館することに決めた。当時はまだ来館者が少しいたが、説明して退館してもらった」と話した。【成澤隼人、斎川瞳、朝比奈由佳、島袋太輔】
