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騒ぐ若者「ハロウィーン台風」 厳戒の渋谷、切実な“来ないで”


 「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」――。10月31日のハロウィーンを前に東京・渋谷の街角には横断幕や路上飲酒禁止の注意書きがあちこちに掲げられている。1年前のこの時期、新型コロナウイルス禍による外国人入国規制が緩和されたこともあり、仮装した若者や外国人で街はあふれかえった。今、区長自らが「ハロウィーン目的で渋谷には来ないで」と異例の呼びかけをするなど、厳戒態勢を強めている。【野口麗子】

 「まさに『ハロウィーン台風』ですよ」。集まった若者らによる騒ぎによる被害について、そう語るのは、渋谷センター商店街振興組合の鈴木達治理事長(59)だ。

 ハロウィーンの時期にJR渋谷駅前やセンター街に人が集まるようになったのは2013年ごろからという。店の看板を壊されたり、店前に排せつ物をまかれたりといった被害が多発した。

 コロナ禍がすっかり明けた感のある今、鈴木さんは外国人観光客の数が「体感で22年の倍以上」だと感じているという。ハロウィーンに集まってくる人も22年より当然増えると覚悟している。

 「商売をする身としては、本当はお店に来てほしいですよ。『渋谷に来ないで』なんて言いたくないが……」と前置きしつつ、これまでに加盟店が受けた被害を考えれば、来ないよう啓発するのは「致し方ない」と話す。31日はいつもより早く午後6時ごろに閉店する店が多いという。

 「ハロウィーンイベントの会場ではありません」の横断幕や旗が掲げられた渋谷センター街。歩いていた東京都品川区のフリーランスの女性(25)は「いっぱいあるなと感じた」という。「こうした旗もありますし、私はハロウィーンに渋谷には行かないです。友達で行くと言っている人もいないですね」と話した。

 一方、旅行で来たという米国人男性(33)は「ハロウィーンの日は渋谷に来るつもり。人混みの写真を撮りたいんだ」という。

 渋谷区安全対策課によると、「来ないで」との異例の呼びかけをするに当たり、念頭にあったのは、1年前の22年10月29日にソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で150人以上が死亡した雑踏事故だったという。

 担当者は「路上飲酒の文化が根付いてしまったのは、コロナ禍で飲食店への規制が厳しかったころ。それに加えて今はインバウンド客も多い。イテウォンのような事故をまず懸念した」と話す。

 まず密集対策として、JR渋谷駅前の「ハチ公」像前を10月28日朝から11月1日朝まで封鎖する。22年は計200人だった警備員を23年は計370人に増員した。

 路上飲酒対策としては、ハロウィーンと年越しのカウントダウンに限って路上飲みを禁じる条例が渋谷区にはすでにある。今回は27日~31日の午後6時から翌朝の午前5時までの時間帯に、SHIBUYA109を中心とした一帯(https://files.city.shibuya.tokyo.jp/assets/12995aba8b194961be709ba879857f70/40642ef229ac4b459439eac3d7a6d2ac/assets_com_000044368.pdf)で路上飲みが禁じられる。期間中は区職員が1日30人体制でパトロールし、路上飲酒者を注意する。罰則規定はない。

 この条例は19年に施行されたが、「周知が足りていない」との声もある。

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