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中国に機密漏えいを図ったか 米司法省、陸軍の元情報要員を起訴


 米司法省は6日、中国に国防情報を漏えいしようとしたとして、陸軍情報部隊の元軍曹(29)をスパイ防止法違反(国防情報の不当保持)などの罪で起訴したと発表した。元軍曹は軍を離れた後、香港で生活していたが、今週帰国した際に逮捕された。家族には米国を離れた理由について「軍にいる間に米政府に関するひどいことを知った。米国で暮らすのは安全ではなく、米政府を支持したいと思わなくなった」と説明していた。

 起訴状や連邦捜査局(FBI)の捜査官の供述文書によると、元軍曹は2015年1月から20年1月まで、西部ワシントン州のルイス・マコード統合基地で、陸軍の情報部隊に所属していた。ヒューミント(人を介した諜報(ちょうほう)活動)のとりまとめや報告文書の作成を担当し、3段階の機密レベルで最も高い「最高機密」に指定された機密文書にアクセスする権限も有していた。

 20年1月に軍を離れた後、元軍曹は中国に短期間渡航。20年2月にはトルコ・イスタンブールを訪れ、現地の中国領事館にメールで「中国に移り住むことを考えている。最高機密へのアクセス権があり、情報共有について話がしたい」などと申し出た。

 20年3月には香港や北京を訪問。携帯電話の記録から中国の軍情報機関の施設近くに行ったことも判明した。その直前には、米陸軍のヒューミントの手法や訓練方法、報告書の種類などを記した文書も作成していた。実際に中国側に機密情報が渡ったかどうかは明らかではない。

 ワシントン州シアトルの連邦大陪審は今月4日、元軍曹が20年2~7月ごろ、必要な承認を得ずに国防に関する情報を外部に持ち出したとして、スパイ防止法違反などの罪で起訴した。元軍曹は今週、居住地の香港から西部カリフォルニア州サンフランシスコの空港に到着したところを司法当局に逮捕された。

 司法省によると、元軍曹は軍を離れた後も、米軍のネットワークにアクセス可能な機器を保持し、中国側に機器を提供しようとした疑いもある。有罪になれば、最高で禁錮10年、25万ドル(約3730万円)の罰金の判決を受ける可能性がある。

 米国では今年8月にも、中国に情報提供した見返りに現金を受け取っていたとして、海軍の機械工らが起訴された。6月には機密資料をネット交流サービス(SNS)上に流出させた空軍州兵が起訴されており、米国防総省は情報共有体制や機密へのアクセス権の見直しを進めている。【ワシントン秋山信一】

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