横浜市旭区で小学3年生の野村香さん（当時8歳）が行方不明になって10月1日で32年。香さんが通うはずだった市立本宿中の生徒と両親らが29日、40歳を迎えた香さんのプロファイリング画像を載せたチラシを相鉄線二俣川駅などで配り情報提供を呼びかけた。愛娘の同級生が中学生の子を持つ世代となり、両親は「改めて年月を感じる」としつつ、再会を信じて声をかけた。
香さんは1991年10月1日午後3時50分ごろ、同区本宿町の自宅を出て約540メートル離れた書道教室に向かった後に不明になった。これまで捜査本部のある旭署には計3130件の情報が寄せられたが、ここ数年は情報提供がなかった。
この日は、両親とともに生徒約20人が旭署員らと一緒にチラシ約1000枚を配った。中学2年の有賀ほの香さん（14）は約2年前に母から香さんの話を聞いたといい、「近所なので人ごとではない。出来事が忘れられてはいけない」と参加した。
情報提供の呼びかけは、コロナ禍の中断を経て今年2月に再開した。母郁子さん（70）は「小さな子が『頑張ってね』とドーナツをくれた。チラシ配りを通じて元気をもらえるんだ」と実感し、この日も「元気をもらった」と気丈に振る舞った。父節二さん（75）は「このような事が2度と起きないでほしい。何か情報があれば」と大きな看板を手に声をかけていた。
情報提供は旭署特別捜査本部（045・361・0110）へ。【宮本麻由】
