双日の30代元社員を逮捕 前職の営業秘密を持ちだした疑い

　以前勤務していた競合他社の営業秘密を不正に持ち出したとして、警視庁生活経済課は28日、大手総合商社「双日」（東京都千代田区）の元社員、真鍋昌奨容疑者（32）＝東京都江東区豊洲3＝を不正競争防止法違反（管理侵害行為）容疑で逮捕したと発表した。

　逮捕容疑は2022年7月16日午後9時半ごろ、自宅でパソコンを使い、以前勤務していた別の大手総合商社のサーバーにログインし、取引台帳などの営業秘密をダウンロードして持ち出したとしている。

　捜査関係者によると、真鍋容疑者が以前勤めていた総合商社からの相談を受け、警視庁が捜査を開始。今年4月に双日本社や真鍋容疑者の自宅などを家宅捜索していた。その後、真鍋容疑者は双日を辞めている。

　6月20日にあった双日の定時株主総会で、藤本昌義社長は株主に対し「社内調査の結果、他の社員が情報共有または保有した事実はないと位置づけている」と説明した。また、中途採用の社員に対し、前職で得た機密情報を持ち込まないことの誓約書を書かせていたことなども明かした。【加藤昌平】