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“あまちゃん人気”息長く 放映10年 舞台の岩手でファン語る魅力


 いつまでも人とまちを元気に――。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の放映から10年を記念するコンサートとイベントが23日、舞台となった岩手県久慈市であった。根強い人気の秘密とは。全国から訪れたファンや市民に話を聞いた。

 コンサート会場の市文化会館ロビーは、開演1時間前から熱気むんむんだった。俳優のんさん演じる主人公が巻いた「北の海女」の鉢巻きや、アイドルとして活動する場面で着た赤いドレス姿の子供も。全1178席は完売で、大半が市外や県外からの来場だった。

 埼玉県戸田市の安武澄枝さん(52)と実紗さん(21)親子は同じ主催者が9月14日に東京で開いた記念コンサートのチケットが取れず、初めて久慈に来た。澄枝さんは「主人公が海女になる場面」、実紗さんは「アイドルを目指した東京編全部」が好きといい、足早にホールへ向かった。

 「笑いがあり、人と人がふれ合う場面から人間的な温かみも感じられる」。茨城県土浦市の坂本祐樹さん(35)は「あまちゃん愛」を熱く語った。傍らにいた母の真弓さん(67)は、のんさんの祖母役で出演した宮本信子さんが大漁旗を振って孫や娘役の小泉今日子さんを見送ったシーンが印象に残るという。

 コンサートは、ドラマの音楽を担当した大友良英さんと劇中歌用に編成されたバンドが約20曲を演奏した。後半は、のんさんと宮本さんがゲスト出演。のんさんは小泉さんや大女優役の薬師丸ひろ子さんも歌った「潮騒のメモリー」を披露した。公演の最後には、ファンも総立ちでオープニング曲を熱唱した。

 公演は、地元岩手の人々の心にも響いたようだ。久慈市の沢口朋花さん(11)は放映時まだ1歳。母の智子さん(42)と4月から再放送を見ているといい「(劇中音楽の)生演奏を聞き、地元ですごいドラマが作られたことが分かった」。智子さんは「放送を見ると元気が出るし、10年たっても県外から大勢の人が訪れている。あまちゃんを作った人みんなに感謝」と笑った。

 久慈出身の妻と訪れた岩手県一関市の小野寺義昭さん(63)は「久々に10年前を思い出した。あまちゃんは久慈に元気を与えてくれた」。大ヒット作の舞台となったことへの県民としての誇らしさが伝わってきた。

「ファンのつどい」も4年ぶりに開催

 「道の駅くじ」では「あまちゃんファンのつどい」が4年ぶりに開かれ、全国から61人が参加した。放映翌年の2014年に有志で催し、地元の観光推進協議会が引き継いだ。新型コロナウイルスの影響で20年以降は休止し、放映10年に合わせて再開したという。

 会場では、撮影に協力した三陸鉄道旅客営業部長の橋上和司さん(59)が、劇中の「北三陸鉄道」が東日本大震災で被災した場面の撮影秘話を紹介。実際に駅舎が全壊した島越(しまのこし)駅(岩手県田野畑村)の周辺が使われたことに当初は不快感を示していた漁師が、放送終了後に一転「面白いドラマだった」と言ってくれたという。橋上さんは「笑い話は山ほどあるが、10周年の催しなのでさまざまな感情が交錯した出来事を話した」と語った。

 久慈出身で千葉県佐倉市に住む斉藤純さん(57)は、記念コンサートに合わせて「つどい」があると知り、初めて参加した。高校卒業後に離れてから40年近く。人口減少が進む古里が気がかりで「地元にいない私が言うのはおこがましいが、放映10周年や今回の再放送を機に『久慈に来てみたい、住んでみたい』と思ってくれる人が増えたらうれしい」。息長く続くあまちゃん効果への期待がにじんだ。【奥田伸一】

あまちゃん

 2013年4~9月にNHK総合とBSプレミアムで全156話が放送された。宮城県出身の宮藤官九郎さんのオリジナル脚本で、俳優のんさんが演じる主人公が岩手県北三陸と東京を舞台に海女やアイドルとして奮闘する物語。東日本大震災で被災した久慈市と周辺でも撮影された。今年4~9月の予定でBSプレミアムとBS4Kで再放送中。

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