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「私人逮捕」動画拡散に問題は? 専門家「一線を越えれば加害者に」


 ユーチューバーなどが「私人逮捕」と称し、他人の行為を犯罪と決めつけて拘束する様子を撮影した動画がインターネット上で拡散されている。法律上、現行犯の場合は民間人も逮捕できるが、専門家は「一線を越えれば自分が加害者になってしまう」と警鐘を鳴らす。

 「美人転売ヤーを私人逮捕!」

 そんなメッセージとともにX(ツイッター)やユーチューブに投稿された動画には、複数の男性が女性を取り囲み、「犯罪行為ですよ。現行犯逮捕できますよ」「警察呼んでます。暴れないで」などと体を押さえつける様子が約2分間、収められている。

 別の動画では、タクシーに乗り込もうとする女性に対し、ジャニーズアイドルのコンサートチケットを転売したとして、男性が「犯罪者は降りろ」と服や腕をつかみ、車から無理やり引きずり出す様子が映されていた。

 こうした動画に対し、Xでは「転売屋が減ってほしいから応援している」と肯定的な声がある一方、「やり過ぎではないか」などと批判の声も上がっている。

 タレントのフィフィさんは21日、Xで「最近、バズりたいのかSNSに痴漢や転売ヤーに対する過激な私人逮捕の動画がよく流れてくるけど、冤罪(えんざい)だったり、それこそ揉(も)み合って事故ったらどうすんの?」と投稿した。

 通常、容疑者の身体の自由を拘束できるのは捜査機関に限られるが、現行犯の場合は民間人でも逮捕でき、「常人逮捕」「私人逮捕」と呼ばれる。刑事訴訟法に定められており、民間人が現行犯逮捕した場合は、直ちに検察官か司法警察職員(警察官など)に引き渡さなければならない。

 こうした動画を注視してきた浦川祐輔弁護士(第二東京弁護士会)によると、当初は痴漢や盗撮の場面に偶発的に居合わせ、現行犯逮捕する場面を撮影したものが多かったが、徐々に内容がエスカレートしていったという。

 今回の動画について、浦川弁護士は「腕をつかんだりする行為や身体的な接触は暴行に当たる可能性がある」と指摘。特定の個人を集中的に撮影し、「犯罪者ですよ」などといった言葉とともに動画を公開することは肖像権の侵害にも該当する恐れがあるという。

 その上で、浦川弁護士は「例えばひったくりなどの現場に居合わせ、容疑者が逃げている時に警察官を呼ぶ暇がなく現行犯逮捕するのは適法だが、転売を見かけた場合はまずは警察を呼ぶのがいいのではないか」と話した。【宮川佐知子】

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