陸自3人死傷、18歳自衛官候補生を懲戒免職 鑑定留置中

　陸上自衛隊は20日、岐阜市の陸自射撃場で隊員3人を小銃で撃って死傷させたとして殺人と殺人未遂の容疑で送検された自衛官候補生の男性（18）を懲戒免職処分にしたと発表した。捜査に支障があるとして、男性が事件についてどう説明しているかは明らかにしなかった。

　陸上幕僚監部によると、男性や他の隊員への聞き取りから、銃を安全に取り扱わず、3人を死傷させるといった職務上の注意義務違反があったと認定したという。

　事件は6月14日午前9時10分ごろ発生。実弾射撃訓練中に男性が発砲し、菊松安親1等陸曹（52）＝陸曹長に特別昇任＝と八代航佑3等陸曹（25）＝2等陸曹に特別昇任＝が死亡し、原悠介3等陸曹（26）が全治3カ月の大けがをした。男性は11月24日までの約4カ月間、刑事責任能力の有無を調べるため鑑定留置されている。

　男性は今年4月に名古屋市守山区に拠点を置く第35普通科連隊に入隊。任期は6月27日に満了する予定だったが、陸自は処分の是非などを判断する調査のため3カ月延長していた。再発防止策については、陸自の調査委員会が検討を進めている。【松浦吉剛】