殺人・強盗勧誘などのSNS投稿、77件削除 安倍元首相銃撃で拡大

　警察庁は21日、SNS（ネット交流サービス）に投稿された殺人・強盗の勧誘など犯罪に関わる投稿77件を、SNS事業者に要請して2023年2～7月に削除したと発表した。22年7月に起きた安倍晋三元首相の銃撃事件で逮捕・起訴された被告がネット上の動画を見て銃を手作りしたなどとされたことから、23年2月から削除対象を拡大していた。

　警察庁によると、削除された投稿は、殺人・強盗等の勧誘68件▽爆発物・銃砲等の製造5件▽拳銃の譲渡等、臓器売買それぞれ2件。削除を要請したのは148件で、そのうちの52％が削除されたことになる。要請に応じていないケースについて、警察庁は「SNS事業者の判断で理由は分からない」としている。

　警察庁は、委託している民間事業者を通じ、SNS事業者に削除要請している。「闇バイト」と称して強盗や特殊詐欺などの実行役を募集する投稿についても今後、対象に追加する方針を示している。【松本惇】