米、トルコ企業などに制裁 ウクライナ侵攻加担で 露軍の弱体化狙う

　バイデン米政権は14日、ロシアのウクライナ侵攻に加担したとして計150以上の企業・個人を制裁対象に指定した。米国内の資産を凍結し、米国人との取引を禁止する。軍事転用できる物資をロシアに送ったとして、トルコやフィンランドに拠点を置く企業も制裁対象に加えた。軍事物資の供給ルートを断ち、ロシア軍を弱体化させる狙い。

　制裁を実施した米財務省によると、トルコ拠点の企業は、巡航ミサイルや無人機（ドローン）を生産するロシア企業と数百件の取引をしていた。別のトルコ企業はロシアにセンサーなどの物資を輸出、フィンランドが拠点の企業も電子機器を輸出していた。

　米財務省はトルコの政府や企業に、軍事転用できる物資の対露輸出をしないよう繰り返し警告していたという。イエレン財務長官は「ロシアの部品供給網を標的とし、ウクライナとの戦争に必要な装備品や技術を奪うため、努力を続ける」との声明を出した。

　このほか、ロシアの軍事機器の生産に関与したとして、ロシアの鉄道車両メーカー「トランスマッシュ」と同社を経営する新興財閥を制裁対象に指定。ロシア最大の自動車メーカー「アフトバス」も制裁対象に加える。【ワシントン大久保渉】