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93歳「ばあば画伯」イラスト健康法 紙の上にも3年、かなえた夢


 SNS(ネット交流サービス)がきっかけで、90歳からイラストを描き始めた女性がいる。松山市の山田久栄さん(93)。少女のようなカラフルな色遣いとポップなタッチで、3年間で描いた作品は約4500枚。その一部を展示した「ばあば夢のイラスト展」が、松山三越(同市一番町)で開かれている。山田さんは「この歳で展覧会を開けるなんて夢のよう。新しいことに挑戦するのに年齢は関係ないんですね」と笑顔をはじけさせた。

 きっかけは2020年6月に、一緒に暮らす長女からブログの中で使うイラストを依頼されたことだった。20年間ほど絵日記を付ける習慣があったが、習ったことはない。依頼を受けてからは、テレビや新聞、雑誌などで流行のファッションや旬の話題をチェックして情報を収集。イラストに生かすようになった。大勢の人が見てくれるのが嬉しく、描くのが楽しくなっていった。

 「50個は持っている」という大好きなベレー帽をかぶり、筆ペンで100円ショップで購入した落書き帳に描いている。高齢でひんぱんに外出できないため、モチーフは「人生で見聞きしてきたもの」が中心。夢中になると筆が止まらず、1日5~6枚のペースで描いている。1枚15分で描き上げるなど、描くスピードも速く、腕前も上達しているという。

 初個展は年齢にちなみ、93点を出品した。伊予市のひまわり畑や、隅田川の花火など思い出の風景や、趣味の俳句を並べ、季節ごとに紹介したコーナーもある。お気に入りのハートマークと、自分と長女の似顔絵を組み合わせた作品は繊細なタッチで、若々しいデザインになっている。

 長女によると、これまではベッドで過ごすことが多かったが、イラストを始めてからは、“画伯のような顔つき”になり、リビングの机に向かう時間が増えた。鑑賞した市内のミュージシャン、堤宏文さん(82)は「力強く素晴らしい作品ばかり。年齢に関係なく新しいことに挑戦する姿は、人生のよいお手本ですね」と感心していた。

 山田さんは、初個展ができた気持ちを「夢ありて 今日の幸せ 天高し」と俳句で表現した。「秋は大好きなモミジを描きたい」と創作意欲も尽きることはない。

 展示は18日までで、入場無料。問い合わせは松山三越(089・945・3111)。【広瀬晃子】

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