インドネシア大統領が処理水放出に理解 岸田首相と会談、関係格上げ

　岸田文雄首相は7日、訪問中のインドネシアの首都ジャカルタで、同国のジョコ大統領と約30分間会談した。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出について説明し、ジョコ氏は理解を示した。両国関係を「戦略的パートナーシップ」から「包括的・戦略的パートナーシップ」へ格上げすることなどを盛り込んだ共同声明も発表した。

　会談で岸田首相は、6月の天皇、皇后両陛下のインドネシア訪問時のもてなしに謝意を伝達。海洋、エネルギー、インフラ整備などの分野で引き続き協力していくことで一致した。ウクライナ情勢や東シナ海・南シナ海、北朝鮮などの地域情勢についても意見交換し、連携していくことも確認した。

　共同声明は、気候変動や開発など地球規模の課題への対応で、「グローバルサウス」と呼ばれる途上国や新興国への関与をさらに強化する方針を明記。両国がさまざまなレベルで対話を継続していく方針を盛り込んだ。【ジャカルタ村尾哲】