starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

取引再開「軽率な考えだった」 損保ジャパン・白川社長、辞任表明


 中古車販売大手ビッグモーターによる自動車保険金の不正請求問題を巡り、損害保険ジャパンの白川儀一社長(53)は8日、東京都内で記者会見し、引責辞任すると表明した。白川氏は不正請求の可能性を把握しながら、昨年7月の社内会議でビッグモーターとの取引再開を決めたことについて「大きな経営判断ミスだったと深く反省している」と自らの経営責任を認めた。辞任時期や後任社長は今後決定する。

 白川氏は、親会社のSOMPOホールディングス(HD)の桜田謙悟会長兼グループ最高経営責任者らと記者会見した。白川氏は、一連の不正請求問題を巡る損保ジャパンの不適切な対応を認め、「経営者として不徳の致すところ。社内外から失った信頼を回復するためには、まず私の進退を明らかにすることが責任であると考えた」と述べ、「この度は誠に申し訳ございませんでした」と謝罪した。

 損保ジャパンと東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険は2022年1月、ビッグモーター社員の通報をきっかけに事故車両の修理代金水増し疑惑を把握。損保大手3社は6月に事故車両をビッグモーターの修理工場に紹介する取引を停止した。

 記者会見での説明などによると、白川氏は7月の損保ジャパンの役員会議で、「事実関係としては『クロ』が推測される」との認識を示した上で、「(ビッグモーター側に)厳しい調査を求めるスタンスを示すことで関係が悪化し、元の状態に戻れない可能性が高い」と発言し、取引再開を決めた。ビッグモーターは「事案は作業ミス」とする社内調査結果を報告したが、東京海上と三井住友海上は説明に納得せず、取引を再開したのは損保ジャパンだけだった。

 その後、損保ジャパンは「不適切な修理について工場長から指示を受けた」とビッグモーターの作業員が証言しているとの情報を確認し、同年9月に取引を再停止。白川氏は会見で取引再開は「軽率な考えだった」と振り返った。

 不正請求問題を巡る損保ジャパンの対応を巡っては、弁護士による社外調査委員会が調査しているほか、金融庁も今月4日に損保ジャパンとビッグモーターに保険業法に基づく立ち入り検査を実施すると通知した。

 桜田氏は「経営責任全般については調査委員会による客観的事実を踏まえて明確にする」と説明しており、第三者による実態解明が進む中で、損保ジャパンやSOMPOHD幹部に経営責任がどこまで波及するかも焦点になる。

【岡大介、平塚裕介、遠藤修平】

    Loading...
    アクセスランキング
    starthome_osusumegame_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.