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インドで国名変更巡り論争 G20夕食会招待状に「バーラト大統領」


 インドの首都ニューデリーで9~10日に開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議の夕食会招待状で、同国のムルムー大統領の肩書が「バーラト大統領」と英文表記され、波紋を呼んでいる。「バーラト(Bharat)」は現地語でインドを意味し、憲法にも併記されているが、これまで英文では「インド(India)」の表記が用いられてきた。「インド」は英植民地時代の名残とみて表記変更を歓迎する声もあり、国内で論争が起きている。

 バーラトは、古代インドの大叙事詩「マハーバーラタ」にも登場するバラタ族に由来する。地元メディアによると、与党インド人民党(BJP)関係者からは、バーラトの使用を歓迎する声が上がった。プラダン教育相兼技能開発・起業促進相は5日、表記変更について「植民地時代の思考からの脱却」と評価した。

 BJPはヒンズー至上主義団体を支持母体とし、植民地時代に英国人が設計した首都官庁街の再開発を進めるなど、民族主義的な傾向が指摘される。7月に完成したG20首脳会議用の会場施設も「バーラト・マンダパム」(「マンダパム」は人々が集う場所を意味)と名付けられている。

 さらに、BJPの報道担当者は5日、モディ首相の6日からのインドネシア訪問について、英語で「バーラト首相」と書かれた文書の画像をネット交流サービス(SNS)に投稿。政府関係者は地元紙ヒンズーに対し「今後、バーラトはより多くの公文書で用いられるだろう」と語った。

 一方、最大野党・国民会議派のシャシ・タルール議員は5日、SNSに「計り知れないブランド価値がある『インド』を、政府が完全になくすようなバカなことはしないと願う」と投稿した。野党連合は7月、連合の名称を「インド全国開発包括連合(略称・INDIA)」と改めると発表しており、バーラトの使用は野党への当てつけだとする見方もある。【ニューデリー川上珠実】

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