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ウニ好きで知られるラッコ…実は大量には食べていない? 京大の研究


 ウニやカニなど高価な魚介類が好物とされるラッコが、通説ほど大量のウニを食べていない可能性があることが、京都大学野生動物研究センターの三谷曜子教授(海棲(かいせい)哺乳類学)らの研究で判明した。北海道根室市立落石中で6日に行った総合的学習で発表した。

 三谷教授らの研究グループは、同市のユルリ・モユルリ島沿岸で2019年、食性や食物連鎖などの調査に着手。19年から4年間の観察の結果、ラッコが海面に浮上した際にエゾバフンウニを持ち帰る割合は15~20%(赤潮の影響でウニが壊滅的被害を受けた22年はほぼ0%)にとどまった。最も多かったのはエゾイシカゲガイやエゾワスレガイなどの市場にほとんど出回らない二枚貝で、全体の4~5割を占めたという。

 三谷教授は「ラッコはウニを取るので漁業者が困っているといわれるが、実はそれほどウニは食べていないのではないか」と通説に異を唱えた。このほかクリガニや花咲ガニ、オオバンヒザラガイ、巻き貝なども食べていた。

 ラッコは乱獲のため、一時は生息数が1000~2000頭まで激減。三谷教授は、道東の太平洋側で目撃情報が増えているラッコは北方領土から来遊したとみられ、▽子育てに適した静かな環境▽食べ物が豊富▽体に巻き付ける海藻がある――などの理由で湯沸岬(浜中町)や襟裳岬(えりも町)などにも生息域を広げつつあることを分かりやすく解説した。

 学習後、父が漁業を営む同中3年、惣万凜桜(そうまんりお)さん(14)は「ラッコが珍しい野生動物であることは知っていました。落石ネイチャークルーズで先月、観察しました」などと語り、ラッコにまつわる興味深い話に目を輝かせていた。【本間浩昭】

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