金融庁、ビッグモーターと損保ジャパンに立ち入り検査へ 9月中旬めど

　中古車販売大手ビッグモーター（東京）による自動車保険の保険金不正請求問題で、鈴木俊一金融担当相は5日、同社と損害保険ジャパンに対し、保険業法に基づく立ち入り検査の実施を通知したと表明した。鈴木氏は同日の閣議後記者会見で「経営管理体制や内部管理体制上の課題に踏み込んで根本原因を特定し、法令に照らして問題があれば厳正に対応する」と話した。9月中旬をメドに両社に立ち入るという。

　金融庁は、8月末に両社から不正請求に関する報告書を受け取っており、社員や経営幹部らから直接聞き取りを行うなどして、事実関係の解明に向けたさらなる検証が必要と判断した。　鈴木氏によると、今回の調査では、ビッグモーター社の保険募集を巡る管理体制に問題がなかったかどうかを調べるほか、損保ジャパンに対しては、ビッグモーター社への出向者に関する事実確認などを行うという。鈴木氏は「今回の事案については、いまだ解明が不十分な点が存在しており、さらに深い検証が必要だ」と強調した。【袴田貴行】