「ワグネルはアフリカで活動を続けるだろう」 EU外相

　欧州連合（EU）のボレル外務・安全保障政策上級代表（外相）は30日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」が、創設者プリゴジン氏の死去後もアフリカでの活動を続ける可能性が高いとの見方を示した。スペイン中部トレドで開かれたEU国防相会合後の記者会見で語った。

　ボレル氏は「ワグネルはすぐに（プリゴジン氏の）後任を見つけるはずだ。ワグネルはロシアの武装組織なのだから、アフリカで活動を続けるだろう」と指摘。一方で、ワグネルが「サヘル地域（サハラ砂漠南縁部）の平和やアフリカ人の権利擁護に貢献することはない」とも主張した。

　ワグネルは、マリや中央アフリカ、リビアなどアフリカ各地で各国政府と契約を結び、反政府勢力の鎮圧やテロ対策などに協力している。こうした活動はロシア政府の支援を受けており、アフリカにおけるロシアの影響力拡大の一翼を担ってきた。しかし、ワグネルを率いるプリゴジン氏は6月にプーチン露政権に反乱。今月23日に乗っていた飛行が墜落し、死亡した。このため、アフリカなどでのワグネル部隊の活動の行方が注目されている。【ブリュッセル岩佐淳士】