ポーランドとバルト3国は28日、ワルシャワで内相会合を開き、ベラルーシとの国境で重大な事案が発生した場合、協調して国境を全面的に閉鎖することで合意した。ベラルーシにはロシアの民間軍事会社「ワグネル」の部隊が駐留しており、対応を協議した。
ベラルーシには数千人規模とみられるワグネルの部隊が駐留しており、国境を接するポーランド、リトアニア、ラトビアは警備を強化している。またポーランド政府によると、今年に入り、ベラルーシからポーランドに不法入国を試みるケースが約1万6000件確認されている。特に最近数カ月では、中東やアフリカからの移民が目立っており、ポーランド政府は、ベラルーシが不法入国を助長させていると非難している。
リトアニアのビロタイテ内相は会合後の共同記者会見で、国境を閉鎖するのは、いずれかの国境で国家の安全の深刻な脅威となる武力衝突が発生した場合、または不法移民が大量に流入した場合と説明。ポーランドのカミンスキ内務・行政相は「ベラルーシ当局に対し、ワグネルを直ちにベラルーシ領から退去させ、不法移民を母国に送還することを求める」と述べた。
ベラルーシのポーランド国境地帯にはワグネルの部隊が集結しているとの情報があり、ポーランドのブワシュチャク国防相は8月10日、国境に約1万人の兵士を増派する方針を表明している。【ブリュッセル宮川裕章】
