将棋の王位戦で4連覇を達成した藤井聡太名人（21）が、対局から一夜明けた24日、徳島市内で記者会見に臨んだ。王将、竜王、叡王、棋王、棋聖を合わせ7冠を堅持したまま31日から前人未到の8冠完全制覇を懸けて王座戦に挑む藤井名人。報道陣から「プレッシャーはないか」と問われると、「大変な注目をいただける舞台に見合う内容のよい将棋を指せるよう頑張りたい。ただ、気負いすぎてもよくないと思うので、なるべく自然体で臨みたい」と答えた。
永瀬拓矢王座（30）との対戦成績は藤井名人が11勝5敗とリードしているが、直近8局に限ると4勝4敗の五分。タイトル戦は昨年の棋聖戦に続き2回目となる。棋聖戦は第1局を2度の千日手（引き分け）の末に落としたが、その後3連勝して防衛した。藤井名人は第1局について、「永瀬王座の作戦にうまく対応できなかった。序盤の工夫がもっと必要だと感じさせられた」と話した。
4連覇中の永瀬王座にとっては名誉王座の永世称号（連続5期または通算10期）が懸かるシリーズでもある。藤井名人も「王座戦の挑戦は自分の棋士人生を振り返った時にも大きなことにはなるのかなと思っています」と大勝負に挑む心境を語った。【新土居仁昌】
