中古車販売大手グッドスピード（名古屋市）は23日、過去の自動車保険の保険金請求を巡り、損害保険会社から調査協力を求められていると発表した。過去の請求で疑義のある案件があったとみられる。中古車業界では大手のビッグモーターで不正請求が発覚しており、問題が拡大する可能性が出てきた。
グッドスピードは東海地方が地盤で、西日本を中心に約50店舗を展開。東証グロース市場上場で、2022年の連結売上高は561億円。
中古車販売のほか自動車の修理や整備、保険代理店業務も営んでおり、損保大手のあいおいニッセイ同和損害保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険の4社と取引がある。
関係者によると、ビッグモーターの不正請求問題を受けて4社が実施した社内調査で、グッドスピードの過去の保険金請求で疑義のある案件が見つかったという。
同社は「調査協力を求められ対応していることは事実で、詳細については調査中」とのコメントを出した。
ビッグモーターでは、車両を故意に傷つけるなどして修理代金を水増しし、保険金を過大に請求する不正が横行していたことが発覚。大手損保はビッグモーターに出向者を出すなど深い関係にあり、金融庁は損保各社とビッグモーターに対し、8月末を期限とした報告徴求命令を出した。【高田奈実、加藤結花】
