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赤ちゃん遺棄 ベトナム人実習生に懲役1年6月求刑 神戸地裁初公判


 死産した赤ちゃんをトイレに流したとして死体遺棄罪に問われたベトナム人技能実習生、チャン・トゥ・フォン被告(22)の初公判が21日、神戸地裁(金川誠裁判官)であった。被告は起訴内容を認め、検察側は懲役1年6月を求刑し、即日結審した。判決は9月13日。

 起訴状によると、フォン被告は5月18日、丹波篠山市内にある会社の女性寮の共同トイレで赤ん坊を出産し、遺体を下水道に流したとされる。

 検察側は論告で、被告は妊娠が発覚すれば帰国させられると考え、SNS(ネット交流サービス)で購入した人工中絶薬を使用したと指摘。下水道に流して遺棄したことは「赤ん坊への哀悼を認められず悪質」と非難した。

 弁護側は最終弁論で「被告は多額の借金を背負って来日しており、帰国を恐れ、妊娠を誰にも相談できない状況だった」として執行猶予付きの判決を求めた。

 公判には被告を技能実習生として受け入れた監理団体の男性職員が情状証人として出廷。妊娠しても実習は継続可能だったと説明した。

 被告人質問でフォン被告は、SNSの情報から、妊娠が発覚すれば帰国させられると考えたとし「実際に多くの人が帰国させられている」と主張。その上で「いろいろなことを考える余裕がなかった。もっと早く周囲に相談していれば良かった」と涙ながらに話した。【大野航太郎】

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