デンマークのフレデリクセン首相は20日、同国でウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、ロシアの侵攻を受けるウクライナに米国製F16戦闘機19機を供与すると発表した。そのうち6機は24年1月前後に供与するという。ロシアに対する反転攻勢が進んでいないウクライナにとって、強力な支援となる。
ロイター通信などによると、フレデリクセン氏は会談後の共同記者会見で「ウクライナの自由は我々の自由だ。我々はウクライナがより多く（の支援）を必要としていると知っている」と述べた。24年1月にF16を6機供与した後、同年中に8機、25年に5機を提供する方針だという。
F16の操縦士に対する訓練は少なくとも半年かかるとされる。フレデリクセン氏は訓練のため、ウクライナの兵士70人以上がデンマークに滞在していると明かした。ゼレンスキー氏は20日、X（ツイッター）への投稿でデンマークに謝意を示し、「（F16運用への）準備を急ぐ」と述べた。
ゼレンスキー氏は20日、デンマークに先立ち、オランダでルッテ首相と会談。ルッテ氏もF16を供与する方針を明らかにした。ルッテ氏は供与する戦闘機数や時期を発表していないが、ゼレンスキー氏はソーシャルメディアで、オランダから42機の供与を受けるとしている。
F16を巡っては、生産国の米国のバイデン大統領が5月、広島市での主要7カ国首脳会議（G7サミット）で欧州からの供与を容認した。米国は直接供与には慎重な姿勢を示している。【エルサレム三木幸治】
