学校建設、22社中21社が入札辞退 福岡・添田、唯一応札企業が落札

　福岡県添田町が2025年4月の開校を目指す町立小中学校（仮称）の新築工事の2度目の入札が10日あった。町は大手22社を指名したが21社が辞退し、1度目の入札を辞退した企業が唯一応札して落札した。

　同校は既存の小学校5校を統合し、中学校1校を併設。町内唯一の中学校の添田中敷地内に、鉄筋コンクリート4階建てと小学校用グラウンドを造る。1、2階は小学校を統合した新設校、4階は添田中が入り、3階は図書室などの共用部とする「併設型小中学校」となる。

　町が5月に実施した条件付き一般競争入札には大手3社が参加予定だったが、2社が辞退。唯一応札した企業は予定価格を12億円以上上回り、失格となった。予定価格や最低制限価格は事前公表しており、町は複数の建設企業から意見聴取。想像以上に資材や人件費などが高騰しているのが分かり、予定価格を約8億円引き上げて仕切り直した。

　10日の指名競争入札では、5月に辞退した企業が56億2628万円（落札率99・99％）で落札した。同町には「1社応札」を不成立とする規定がなく、町は「16日の臨時議会に契約案を提案し、工事を急ぎたい」としている。【荒木俊雄】