地域の子どもたちに祭りの雰囲気を味わってもらおうと、大阪市西成区萩之茶屋2の通称・四角公園(萩之茶屋中公園)で、住民有志が6日、だんじりを披露した。威勢の良いだんじりばやしが響く中、子どもたちは祭り気分を満喫した。【林みづき】
だんじりは大阪市平野区の建設業、高瀬秀人さん(57)が所有するもので、重さ約2トン、高さ約3・5メートル。平野区の夏祭りなどで引いてきたが、若い引き手の減少や後継者不足のため、7月中旬に最後の夏祭りを終え、手放すことを決めている。
「引退するだんじりを使い、最後に何か良いことができないだろうか」。高瀬さんが相談したのは、西成署向かいでうどん店を営む大前孝志さん(48)。大前さんによると、四角公園の周辺にはだんじりがなく、経済的な事情から祭りを楽しめない子どももいることから、夏休みに祭りを味わってもらおうと考えた。
高瀬さんら保存会メンバーがこの日、平野区からトラックでだんじりを運び、四角公園に持ち込んだ。子どもたちはだんじりに触れ、目を輝かせていた。高瀬さんは「何より子どもたちの笑顔がうれしい。このだんじりを使って、またどこかでええ祭りをしてもらえたら」と感無量だった。