パスポート申請が急増していることを受け、都は特に混雑が激しい新宿と有楽町のパスポートセンターに7日、整理券の発券機を設置した。3時間待ちになることもあるという待ち時間を有効活用してもらうのが狙いだ。
東京都旅券課によると、今年度はパスポートの申請数が前年度の2倍以上に増加。今年4月は5万5214件と新型コロナウイルス流行前の2019年4月（6万798件）の水準に迫った。新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行するとさらに増え、5月は6万9466件、6月は7万6888件と19年の同時期を上回った。
パスポートセンターの窓口には、申請に必要な書類がそろっているかを確認する「受付」がある。問題なければ整理券を渡して「申請」に進んでもらう。だが、受付はこれまで現地で並んで待つしかなかったため、窓口前には日々大行列ができていた。長い日は、申請までに3時間ほど待つ人もいたという。
そこで都は、都内4カ所のうち2カ所のパスポートセンターに整理券を発行する機器を導入した。整理券に記載されたQRコードをスマートフォンなどで読み込むと、待ち時間を表示したり、受付の順番が近づくとメールで連絡を受け取れたりでき、列に並び続ける必要がなくなった。
都旅券課の担当者は「待ち時間が長い時は近くで買い物するなど少しでも快適に過ごしてほしい」と話している。【一宮俊介】
