九州を中心に展開するうどんチェーン「資（すけ）さんうどん」の店舗で、テーブル上に置かれた無料の天かすを共用スプーンで食べる動画が撮影され、SNS（ネット交流サービス）で拡散された事件で、小倉簡裁は威力業務妨害罪で略式起訴された建設作業員の男性（22）＝熊本県大津町＝に罰金30万円の略式命令を出した。7月21日付。福岡地裁小倉支部が8日明らかにした。
命令などによると、1月22日午前4時25分ごろ、北九州市小倉北区の資さんうどん魚町店で、テーブル上の天かすを共用スプーンですくって直接口に入れて食べ、そのままスプーンを戻して店が清潔な天かすを客に提供できなくするなど業務を妨害した。
知人の女性会社員（28）＝同市小倉南区＝が一連の行為をスマートフォンで撮影してSNSに投稿し、動画が拡散。資さんうどんの運営会社に全店舗の天かす容器を変更させるなど業務を妨害したとして、女性も7月21日付で罰金30万円の略式命令を受けている。
迷惑行為を受け、運営会社「資さん」（本社・同市）が福岡県警小倉北署に被害届を提出。同署が2人を威力業務妨害容疑で5月に書類送検し、小倉区検が7月11日に略式起訴していた。
事件後、SNS上で「＃負けるな資さんうどん」というハッシュタグが付いた投稿が相次ぐなど、店舗を応援する動きが広まった。同社の広報担当者は取材に「引き続き、安全で安心な食事の場を提供していきたい」とコメント。「事件後、多くのお客様に支えていただいた」として、投稿者らへの損害賠償請求は現時点では予定していないという。
資さんうどんは1976年創業。北九州市内の21店舗を中心に、山口や鹿児島など7県で計62店（8日現在）を展開し、11日に岡山県、2023年中に関西での出店を予定している。【成松秋穂】
