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自民・麻生副総裁、7日から訪台 断交後、最高位の現職自民幹部


 自民党の麻生太郎副総裁が7~9日の日程で台湾を訪問する。首相経験者では麻生氏や安倍晋三氏、森喜朗氏、旧民主党政権で首相を務めた野田佳彦氏が訪台した例があるが、麻生氏は現在、岸田文雄自民党総裁(首相)に次ぐ与党・自民党のナンバー2。日本が1972年に台湾と断交して以降、最高位の現職自民幹部が訪問することになる。麻生氏は訪台を通じ、中国による軍事的圧力にさらされている台湾に寄り添う姿勢をアピールし、半導体関連企業誘致などにもつなげたい考えだが、中国の反発が予想され、日中関係が緊張する可能性もある。

 麻生氏の訪台は野党時代の2011年以来12年ぶり。台湾側から招待を受けての訪問で、麻生派の衆院議員、鈴木馨祐氏と中西健治氏も同行する。8日に蔡英文総統や、24年1月の総統選で与党・民進党の最有力候補になるとみられている頼清徳副総統と個別に会談し、経済安全保障情勢に関する講演も予定する。

 72年の日中国交正常化で日本が台湾との国交を解消して以降、自民は青年局幹部を定期的に訪台させ、政府に代わって対話の窓口を務めてきた。麻生氏も青年局長経験者で、首相退任後の10年にも訪台して当時の馬英九総統と会談するなど台湾関係を重視してきた。

 米中対立が深刻化する中、岸田首相は「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と繰り返し、台湾有事を念頭に置いた南西諸島の防衛体制強化を急いでいる。麻生氏も7月の講演で「戦争が起きないようにするためにどうするかを考えていかなければならない」と語っており、蔡氏らとの会談では対中問題も話し合われそうだ。

 欧米諸国も22年8月に米国のペロシ下院議長(当時)が訪台するなど要人派遣を活発化させており、麻生氏の訪台もそれらと軌を一にしたものとなる。

 麻生氏の訪台には経済外交の側面もある。世界的な半導体不足が指摘される中、日本はその一大供給源である台湾との関係強化を急いでおり、22年12月には経済産業相経験者でもある自民の萩生田光一政調会長や世耕弘成参院幹事長らが訪台し半導体分野の協力強化に向けた意見交換をした。

 台湾側も今年6月、現職では29年ぶりに副首相格の行政院副院長が来日し、麻生氏や茂木敏充幹事長と面会した。異例ともいえる日台のハイレベル交流が続き、自民ベテランは「日米の経済は台湾の半導体技術抜きでは機能しない。台湾を守る、守られる根拠が明確になっている」と語った。

 麻生氏は訪台を通じ、半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が熊本に建設する工場の協力企業誘致などを働きかけたい考えだ。

 台湾側では、加入申請中の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加に向け、加入に肯定的な麻生氏の後押しを得ることに期待が高まる。台湾総統選を24年1月に控えるだけに、民進党のある議員は「民進党の求心力を高めたいとの思惑もあるのでは」と語った。

 ただ、日台関係の強化に尽力した安倍氏の盟友で、首相経験者でもある麻生氏の訪台は注目度が高く、中国側の反発は必至とみられる。岸田首相の訪中交渉にも影響を及ぼす可能性があり、ある自民関係者は「諸外国が今回の訪台をどう判断するかがポイントだ」と語った。【高橋祐貴】

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