米軍幹部、中国の台湾侵攻「第一撃は宇宙かサイバーで起こりえる」

　米統合宇宙軍の次期司令官に指名されたホワイティング中将は26日、上院軍事委員会で人事承認に関する公聴会に出席した。中国の台湾侵攻を想定した場合、宇宙空間ですぐに戦闘が始まる可能性を問われ、「最初の攻撃は、宇宙空間か、サイバー空間で起こりえる。中国は、米軍の統合部隊による宇宙空間の利用を妨げようとするだろう」との見解を示した。

　ホワイティング氏は「中国は、米国が軍事的な優位のために宇宙をどう活用しているかを十分に研究した上で、対宇宙の軍事能力を急速に高めている。（中国が）商用利用と言っているものも軍民両用だと（米側は）考えている。宇宙空間は争いのある領域になった」と指摘した。

　その上で、宇宙での活動は「チームスポーツだ」と指摘。長年宇宙協力を続けている英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどとの連携の重要性を強調した。

　米軍は、中国が地上配備型のレーザーによる衛星妨害、米国の全地球測位システム（GPS）や通信衛星への電波妨害、衛星攻撃用ミサイルなどの能力を保有しているとみている。【ワシントン秋山信一】