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図書館を建て替えたら…来館者が4倍に SNSで「映える」と話題


 昨年7月に移転・開館した石川県立図書館(金沢市小立野2)が、開館1年で来館者数100万人を突破した。写真映えする円形劇場のような吹き抜けが特徴的な館内に約30万冊の図書が開架され、来館者数は移転前の約4倍と飛躍的に増加した。【深尾昭寛】

 7月8日、県立図書館で100万人達成の記念セレモニーが開かれ、同県小松市の大田裕二さん(52)、妻の友美さん(47)、三女の心音乃(ことの)ちゃん(5)親子が、馳浩知事や田村俊作館長とくす玉を割った。家で育てているカブトムシが成虫になり、飼育の参考にする本を探しに訪れたという心音乃ちゃんは「これからも図書館に来たいです」と笑みを浮かべた。

 昨年7月16日に金沢市中心部から移転・開館した県立図書館は地上4階・地下1階建てで、延べ床面積2万2273平方メートル。4階まで吹き抜けの閲覧空間は圧巻だ。3階には閲覧エリアを一望できるブリッジがあり、4階には1周160メートルの回廊式閲覧空間がある。建物の外観も特徴的で、斜めに配した外壁とガラスが交互に折り重なり、本のページをめくるイメージを表現している。

 SNS(ネット交流サービス)でも注目を集め、本以外が目当ての来館者も少なくない。大阪市の40代会社役員の男性は昨秋、建物に興味があって立ち寄った。男性は「閲覧空間に入った瞬間、頭の中でファンファーレが鳴るような高揚感を覚えた。ここまで図書館の建物に力を入れるのはすごい」と絶賛する。

会話、携帯利用もOK

 館内で快適に過ごすための工夫も凝らされている。弧を描く本棚には「暮らしを広げる」「好奇心を抱く」といったテーマで担当司書が選んだ約7万冊が並び、新たな本との出会いを提供する。一方、本だけでなく古文書など収蔵する全資料・データを調べられる資料総合検索システムも導入。来館者が求める情報を深く得られるようにした。利用者に気軽に訪れてもらおうと、会話も携帯電話もOK。一方でサイレントルームやこどもエリアなどもあり、誰もがお気に入りの場所を見つけられそうだ。コロナ禍前の旧県立図書館の年間来館者数は約25万人だった。同館は「何度でも訪れたくなる居心地の良さが受け入れられたのではないか」としている。

 今年10月には県立図書館に面する場所に金沢美術工芸大が移転する。来館者数100万人達成のセレモニーで馳浩知事は「ドキドキする瞬間を提供できる場所だ。今後もいろいろと企画を考えていきたい。目の前に大学が出来れば、若い学生と図書館の交流なども考えたい」と期待していた。

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