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老老介護の末、妻殺害の被告 法廷で涙「生きてる限り心からおわび」


 神奈川県大磯町の漁港で2022年11月、約40年間介護してきた妻を車椅子ごと海に突き落として殺害したとして、殺人罪に問われた同町の無職、藤原宏被告(82)に対する裁判員裁判で、横浜地裁小田原支部(木山暢郎裁判長)は18日、懲役3年(求刑・懲役7年)の実刑判決を言い渡した。公判では、藤原宏被告(82)が泣く場面が何度もあった。

 弁護側の被告人質問では、「(妻の照子さんが施設に入ると)息子たちに金銭面などで迷惑をかけると思った。照子に相談せず殺害してしまった」と涙ながらに後悔を口にした。最終意見陳述でも「極刑でも何でも判決に従う。生きている限りは心からおわびしていきたい」と涙を流して謝罪した。

 検察側の証人として被告の長男も出廷した。事件直後に被告から聞いた話として、照子さんが海に突き落とされる間際に「(被告に向かって)『お父さん、やめて』と言った」と証言。長男は「母は死にたくなかったはず。(被告は)罪を償って帰って来てほしい」と述べた。

 裁判では事件に及んだ被告の動機が争点となった。

 検察側は、照子さんのケアマネジャーらの証言から、「照子さんは介護施設への入所に前向きだった」と主張。「被告は介護の負担を減らすための周囲のサポートを受け付けず、照子さんの気持ちも無視した。海に突き落とすという強固な殺意に基づいており、自己中心的で酌量の余地はない」と指摘した。

 これに対して弁護側は、「被告は責任感が強く、自分で問題を抱え込みがちだった」としたうえで、「照子さんの症状が急激に悪化し、自身の体調も悪くなっていた。精神的に追い詰められて正常な判断ができず、照子さんの将来を悲観して無理心中を図った」と寛大な処分を求めた。

【園部仁史】

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