地下鉄の車内で酒に酔って寝ていた客から財布などが入ったバッグを盗んだとして、警視庁浅草署は15日、ともに住所不定で無職の早見賢一（56）と石井英人（58）両容疑者を窃盗容疑で逮捕したと発表した。
早見容疑者は捜査員の間で「泥棒の先生」と呼ばれており、スリの素人だった石井容疑者に方法を教えていたとみられる。警視庁は2人が東京メトロ銀座線やJR常磐線などで少なくとも10件以上のスリをしていたとみて調べる。
逮捕容疑は2022年12月9日深夜から10日未明、銀座線渋谷―浅草間を走行中の電車内で、酒に酔って寝込んでいた会社員男性（37）から現金約3000円入りの財布やノートパソコンなどが入ったビジネスバッグ（時価約6万円）を盗んだとしている。
警視庁によると、早見容疑者が寝ている乗客の前に立って、足でつつくなどして起きないことを確認し、足元にあるバッグを少しずつ移動。車内の近くにいた石井容疑者が、電車が駅に到着した際にバッグを持って降車して立ち去っていた。
11月に東京・新橋のオートレースの場外車券売り場で、スリグループにいた早見容疑者が石井容疑者に「いいアルバイトがあるからやらないか」と声を掛けたのがきっかけ。石井容疑者は当時仕事をしていなかったため、生活費を稼ぐために話に乗ったという。【遠藤龍】
