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砲弾が奪った教え子 釜石の艦砲射撃から78年、小学校で考える平和


 太平洋戦争末期に岩手県釜石市が米英軍の艦船から砲撃された「艦砲射撃」から78年の14日、市内の小学校で平和授業があり、市立資料館では「軍事郵便」をテーマにした企画展が始まった。正午には黙とうを呼びかけるサイレンが鳴らされ、市民らが犠牲者の冥福を祈った。

 市立釜石小学校では6年生21人が参加。読み聞かせに取り組む市民グループ「颯(かぜ)・2000」(佐久間良子代表)が艦砲射撃を体験した教員が作った紙芝居を上演し、使われた砲弾や死者数などを説明した。

 紙芝居は当時18歳で小学校の代用教員だった石橋巌さん(故人)が、艦砲射撃で教え子を亡くした体験を描いた。教え子が逃げ込んだ防空壕(ごう)を砲弾が直撃して家族と共に亡くなったことや、被弾して死亡した市民の遺体処理に従事した様子が描かれている。佐々木暖真(はるま)さん(11)は「艦砲射撃は知っていたが、とても大変だったことが分かった。下級生にも伝えたい」と話した。

 郷土資料館では「戦時下の便り―ふるさと釜石想(おも)う軍事郵便」が始まった。毎年、艦砲射撃があった7月14日に合わせて企画展を催しており、今年は通信の自由が保障されている今では見られない「検閲済」の印鑑付きの軍事郵便を通じ、戦争を知ってもらうのが狙いだ。釜石出身の兵士が家族に宛てたはがきなど約100点を展示している。9月3日まで。

 釜石の艦砲射撃は1945年7月14日と8月9日の2回あり、判明分だけで砲弾約5350発が発射され、780人超が死亡したとされる。【奥田伸一】

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